Jul 10, 2025
熟練技術×DXで「履く文化」を未来へ
株式会社靴商店インターナショナル
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熟練技術×DXで「履く文化」を未来へ

CLIENT INFORMATION

株式会社靴商店インターナショナル
「靴を修理して履く文化を創る」という理念のもと、日本ではまだ少ない「靴の修理」という選択肢を広めることを目指す。同社が手掛けるブランド「クツショウテン」は、国内外のグループ企業全55店舗中約半分を占める。クツ修理の他、スニーカークリーニング、カバン修理、合カギ作製なども行い、創業以来35年の熟練技術と、顧客を大切にする丁寧なサービスは評価が高い。
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マーティング部 取締役/山部氏 
10年以上、営業・マーケティングに携わる。現在は株式会社靴商店インターナショナルにて、アナログな職人分野のデジタル化を推進中。
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———弊社を知ったきっかけは何でしょうか?

私がウェブマーケテイングを任された当初は、店舗運営やウェブサイト運営など、全てがアナログに偏っていたため、文字通りゼロから取り組む必要がありました。そこで、店舗ビジネスも含め、外部的視点でマーケティングを包括的にサポートしていただけるパートナーを探していたんです。そんな中、Googleアラート上で発見したのがTOTTY DESIGNさんでした。

———数ある会社の中から弊社にご依頼頂いた決め手は何だったのでしょうか?

一番は、社長である戸塚さんの経歴です。ハイブランドでの店舗経験・経営・マーケティング・ブランディング全般と、幅広い実績と知識をお持ちだという点でした。特に重要視したのはハイブランドでの「高級志向」の視点も持たれているという点です。我々のグループブランドの1つである「RESH.」は大手百貨店に出店しているため、そのブランディングやマーケティングにも通じるものがあると思いました。また、実店舗に立たれた経験があるというのも大きなポイントでした。店舗経験を通じて、現場のスタッフや職人、来店顧客の立場も理解していただけると感じました。

———当初どのような課題点を抱えていたのでしょうか?

既存のお客様へのアプローチができていないことが致命的な問題でした。戸塚さんからも、当時のクツショウテンの状態を「バケツに穴が開いた状態」だとご指摘いただき、まずはその穴を塞ぐ必要性があるとご指南いただきました。すなわち、CRMを強化・構築することが最優先課題であると合意し、これに向けた施策がスタートしました。

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靴商店インターナショナル様②
靴商店インターナショナル様③
靴商店インターナショナル様④

———CRMの強化を起点に「オムニチャンネル戦略」を重視した施策を行ってきましたが、その具体的な内容と効果についてはいかがでしたか?

「オムニチャンネル戦略」は、顧客がLINEやウェブサイト、SNSなど様々な情報を得て商品やサービスを選ぶという私自身の体感にも基づいており、実感を伴う戦略でした。具体的には「ウェブサイトのリニューアル」「オンラインストアの開設」「広告運用」「LINE施策」という4つの主要な施策を行っていただき、大きく改善に至ることができました。 まず1つ目は、「ウェブサイトのリニューアル」。当初のウェブサイトは、更新の都度、手間やコストが嵩んでいたため情報の更新が滞り、運用側にとっても顧客側にとっても優しくないシステムでした。顧客の印象にも影響を与えていたと思います。リニューアルにより、運用しやすいシステムを構築することで、常に鮮度の高い情報を発信することができるようになりました。新たにコラム機能を設け、各所に散在していたスタッフブログ等の記事を一元化することで顧客への価値提供を強化、見積もりや問い合わせの負担を軽減するためのサービスページの拡充、求人ページの設置など、有益な情報を都度提供することができ、非常に満足しています。 2つ目の「オンラインストアの開設」では、これまで 店舗のみだった物販をウェブサイトでも可能にし、9割が店舗近隣であった商圏を、全国規模に拡大することに成功しました。また、あまり業界では例をみない「オンライン修理」の新しい仕組みも導入しています。 3つ目の「広告運用」では、LINEでの広告運用を通じて新規顧客の流入とLINE友達の増加を図りました。結果的に、広告運用による友だち追加数は約200%を達成し、4,000人規模に至りました。 初年度はとにかく新規友だち獲得を重点的に取り組み、配信に様々な工夫を凝らしたことで、平均65%~70%の開封率をキープできたことは大きな成果でした。

———4つ目の「LINE施策」については、弊社としても肝いりのプロジェクトでした。

靴修理ビジネスは、壊れた時に需要が生まれるリピート商売であるにも関わらず、以前は顧客情報が蓄積できていない状態でした。LINE公式アカウントはあったものの、ほとんど運用されていなかったため、単なるメッセージ配信だけでは弱いと考えました。そこで、次のフェーズとしてご提案頂いた4つ目のLINE施策では、大幅リニューアルと銘打ってLINE更新のリッチメニューからコンテンツを刷新しました。 リピート顧客を育てるための「会員ランク制度」導入がその例です。来店頻度や利用額に応じて優遇することで、ロイヤルカスタマーに対する差別化を図り、CRMの強化に大きく繋がりました。

———会員ランク制度を弊社からご提案した背景としては、購買データの分析から、来店数の多い顧客が一定数いる一方で、1回きりの買上客数の顧客が圧倒的に多かったことがあります。これを受けて、上位の顧客にはそれなりのサービスを還元し、初回購入のお客様には再来店に繋がるような販促企画を用意することとしました。

はい。Win × Winの関係が築けるよう、仮会員、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの分類で会員ランク制度を設け、ポイント付与率の改善を試みることで、これまで一律だった顧客対応を細分化していただきました。その結果、およそ1年間で2万人近くLINE友だち数が増加しました。このLINE強化は、店舗スタッフへの教育にも繋がり、お客様にLINEのメリットを伝えることで、LINE登録への理解を深めることができています。結果、大きくCRMが具現化され、今後にも期待が高まる有益な施策であったと感謝しています。
提供サービス

———弊社に依頼された感想をお聞かせいただけますか?

ビジネススキル、マーケティング、経営に関する知見から、当社が抱える問題点や改善事項を論理的に分析いただき、施策を具現化いただいたことは上述の通り、大変満足しております。ですが、私が真っ先に挙げたいのは、社長である戸塚さんの人間性です。

この業界は、どうしても本部と現場の間に認識の隔たりが生じがちです。しかし、戸塚さんは、現場に立ち、スタッフや職人側の気持ちをミクロに捉えた提案や修正を行ってくださいました。このことは、プロジェクト成功にとって大きな足がかりになったと感じています。また、戸塚さんの言葉のチョイスや言い回しは、常に人に気持ちの良い印象を与えるものでした。コミュニケーションのツールである言葉の重要性を理解し、その使い方によって関係性が築かれていく中で、戸塚さんの配慮は私にとって大きな助けとなりました。

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今回は、伝統的な靴修理業界にDXの波をもたらし、顧客体験の向上と事業の成長を両立させる「株式会社靴商店インターナショナル」様の事例をご紹介しました。靴が使えなくなった場合に「捨てる」「買う」以外に「修理をする」という第三の選択肢を提供したい。「靴を修理して履く文化を創る」という企業理念のもと、熟練技術とサステナビリティを追求する「クツショウテン」の挑戦は、まだ始まったばかりです。山部氏の情熱とデジタル戦略が、日本の歩行文化を向上させ、靴を大切に使う新たな価値観を創造していくことに、今後も大きな期待が寄せられます。

文 | 藤井 麻未 Mami Fujii

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